アメリカの優秀な脳科学者が37歳で脳卒中になり、左脳機能が低下したものの、
リハビリにより回復するまでの体験記。
興味深かった点は、左脳機能が低下したことにより顕著となった右脳機能の一つである「涅槃」。
涅槃の境地に至り、左脳機能が回復した今でもその感覚を自在に感じることが出来るという。
左脳機能の一つである、物体の境界線を識別する能力を失うことで得られた宇宙との一体感。
かの釈迦が辿り着いた悟りの境地を、科学的に証明できることの驚きと神秘。
この本は、単なる脳卒中のリハビリ体験記ではなく、人間性というものの一つの解を示してくれるものだと感じた。