【ドラマ】おっさんずラブを批判的に語ってみる(ネタバレ有)

シーズン2が始まり改めてこの作品について色々考えさせられることがあり、

単発版やS1も含めて少し批判的に語ってみたいと思います。

 

S1はLGBTの恋愛が丁寧に描かれている、というレビューを多く見かけますが、果たして本当にそうなのかなぁと疑問に思っています。

私はこの作品はBLファンタジーの域を出ていないと思います。

もっと細かく言うと、単発版は周囲のゲイに対する反応も含めてリアル感があり、

まだ向き合おうとしている感がありますが、S1は完全にファンタジーです。

 

 

例えば海外のLGBTの作品だと、全てがそうとは言えませんが、多くの作品で周囲からの差別や偏見など現実社会で起こっている問題を反映し、それに対する葛藤が描かれています。アメリカなんかだと2000年代の作品にですらゲイというだけで殺されるという描写が出てきます。でも、そういう現実と向き合う作品が作られてきたからこそ、今のLGBTの権利向上という流れが出てきたんだと思います。

 

ではS1ではどうかというと、そういう描写はほとんどありません。

単発版はそのあたりをきちんと盛り込みつつ、ギャグ要素も入れていてバランスが良かったし、だからこそ、そういう偏見や差別を乗り越えて最後にハセを受け入れる春田の姿に感動しました。

 

でもS1は性別も年齢も関係なく自由恋愛できる環境があり、彼らを男同士だからと言う理由で差別する人はほとんどいません。

 

その世界観がこの作品の良さである一方で、ファンタジー感を一層際立たせている。

穿った見方をすると、より一般向けを狙いLGBT要素を薄くしていると思ってしまう。

思えばストーリー展開も唐突なのが多く感情移入できないことが多かった。

視聴者が行間を読むことでなんとか繋げられた感じがします。

でもそれって作品としてどうなんでしょう?

LGBT要素が強まる描写は省いて綺麗なところしか映していないように感じます。

なので、S1から既に制作陣の雑さや逃げの姿勢は出ていた訳で、映画やS2で突然変わった訳ではないと思います。

 

単発版が良作だっただけに、この方向転換は残念ですね。。。

 

少し脱線しますが、部長の春田に対する態度は完全にパワハラ・セクハラですよね・・・。

直属の上司に、あんな形で迫られたらドン引きするし、それまで抱いていた尊敬の念も吹き飛ぶレベルですよ。

 

 

S1以降は残念ながらLGBTに真摯に向き合った作品とは言えない、というのが私見です。

 でもBLファンタジーとしては秀逸ですし好きなことには変わりありませんが。。。

 

S1を神格化する狂信的な風潮にはちょっと引いてしまいます。

S1ファンは映画も何十回も見に行ったりして大絶賛している人が多い印象ですが、

私はあの作品を通しで2回以上見る気には到底なれません。

行間読みまくればいいのかもしれませんが、そもそも映画ってそういうもんですか?

違いますよね・・・。

 

とまぁ、少し批判的に語ってみましたが完璧な作品なんて存在しないし

いちいち気にしていたらキリがないし疲れるのであまり深く考えすぎるのも良くないですね。。。