【映画】us(ネタバレ有)
ゲットアウトの監督の最新作ということで、これは観なければ!と思いさっそくレンタル。
ツタヤで借りたのですが、人気作のためレンタル期間は2泊3日となっていました。
話題のジョーカーやワンスアポンアタイムですら1週間OKなのに、どんだけ人気なの!?と益々期待が募る・・・。
余談ですが、ツタヤは5本まとめて借りると最新作でも一律1100円なんですね!
これは有難い!という訳でここぞとばかりに新作と準新作のものを5本も借りられました!
さて、肝心の作品の感想ですが、ゲットアウトの方が好みかなーと思いました。
面白いんですけどね。監督お得意の社会風刺も健在ですし見応えはあります。
が、もう一度観たい!という欲求が前作よりも薄いんですよね。
以下、細かく見ていきたいと思います。
①ホラーとサスペンスの演出
正直前作と比較するとイマイチ!かなぁと。好みの問題だとは思いますが、
逃避と殺し合いの場面が多すぎてパニック映画特有のクドさが目立つ気がします。
こういうホラーやサスペンス系の作品に慣れてきて新鮮味が無くなってきているからかもしれませんが・・・。
いきなり動いたり現れたりする描写って驚きはするんですけど2回目以降は展開が分かっているので飽きるじゃないですか。内容が希薄な脅かし系の作品だとなおさら。
今作もそれに近いものがあり、しかも同じようなシーンが続くので1回目でも若干が退屈になってきてしまいました。
それに比べて前作は暴力的なシーンが今作よりかなり少ないのですが、
それが逆にそのシーンを際立たせていて良い効果をもたらしていたと思うですよ。
しかもそういう暴力的なシーンよりも表面上は穏やかなのにゾッとするシーン(オークションのシーンとか)がいくつかあって、バランスが良かったんですよね。
ホラーよりもサスペンス要素が強く、そこもまた良かったです。
今回はより分かりやすく娯楽性を追求したのでしょうか・・・。
②キャラクター
全体的にキャラの個性が弱いなーという印象です。可もなく不可もなく。
良く言えば作品の同化している、悪く言えばつまらない。
恐らく、特に主人公は最後のオチに繋げるために、得体の知れない感を出したからなんでしょうが。
ですので、この場合、父と娘がノーマルなキャラで一番感情移入しやすいので、
この2人はもっと魅力的に描かれていたら良かったなーと。
父親は陽気で良い味出していたのですが、少し物足りない感じでした。
③ストーリー展開
この監督お得意の社会問題(今回は格差社会かな?)を上手く反映させていて、直接的ではないけれど分かり易く表現されていたと思います。
こういう風刺的な作品好きです。
ただストーリー展開は前述の通り冗長的でありきたりなパニック系になってしまったことが残念。派手な演出がなくても恐怖を感じさせることができるのは前作で証明済みだと思うので、もっとこういう地味だけど心理的にジワジワ追い詰める、内容勝負でいってほしかったなぁと。。。残念!!
④どんでん返し
意外性はないので特に驚きはしませんでした。ただ、主人公と息子が意味深に視線を交わすシーンで、息子も母親と同じく入れ替わりなのかな?と思っていたのですが、
メイキングによると、そうではなく、息子は予知能力かなにか特殊能力があり母親の異常さに感づいている、とのことでした。それか捕まった時に何か吹聴されたのかも?
個人的には息子も入れ替わりの方が面白いなーと思いました。
その方が不気味ですし、この家族が今後どうなるのか、より想像力を掻き立てられると思うんですよねぇ。。。二人が顔を見合わせて微笑み合うとか、ベタですけど、その方がゾッとするなぁ。
⑤特殊能力の設定
息子の特殊能力設定は、オチに繋げる為には必要なのでしょうが、なくても良かったかなと。彼が身に付けている仮面や冒頭で遊んでいる救急車のおもちゃはその後の出来事暗示しており、2回目に視聴した時の楽しむエッセンスにはなると思うのですが、別になくても良いかなと。
まあ、個人的に特殊能力をストーリーのキーポイントに使われるのが好みではないので、辛口評価になってしまうのすが・・・。だって何でもアリになっちゃうからね・・・。それは前作の催眠術にも言えることですが。。。
⑥総評
前作といちいち比べてしまうのが良くないとは思いつつ、考えれば考える程前作の方が良かったなーと思ってしまう訳ですよ・・・。
前作のようなサスペンスを期待してしまう・・・。でも今回はパニックホラー的要素が強い気がして好みではないなーと。
もし前作が無ければそもそも観ないジャンルですし。
作品のテーマと演出は全く悪くないですし、寧ろ前作よりもパワーアップしているなーと感じたのですが、自分には合いませんでした。。。求めているものが違ったんですね。。。
特典映像で監督が今後も暫くホラー映画を撮りたいと言っていたので、今後に期待したいと思います。できれば前作の様な作風で・・・。